男と女とゴースト

http://biology.plosjournals.org/perlserv/?request=get-document&doi=10.1371/journal.pbio.0040019#BOX1というエッセイが目についたので、読みました。
内容は、科学的に男と女の脳の違いがかなりわかってきていて、それぞれに得意なこと不得意なことが違うことがわかってきているのだから、違うという前提でものを見てみませんか?という主張です。

具体的には、大学の教員(PI)を採用する際に、セミナーを候補者にさせて、どれだけその候補者が自信満々か、どれだけアグレッシブに仕事を進めているかなどの基準で採用を決めているけど、それはすごく男に有利で女に不利な方法ではないか、自信がなさそうだったり、シャイだったり、自分はこんなに偉いんだ(って男の人がよくやるやつですね。)ってアピールしない人でも優秀な人なら雇うべきではないかというようなことが書かれていました。

これを読んで思い出したのが、昔読んだブルーバックス「男は女より頭がいいか」と加藤諦三先生の何かの本の中に書いてあった文章。ブルーバックスの方は、世の中のテストの大半、知能テストから(アメリカの)大学入試テスト(SAT)に至るまで、脳科学的に見ると、80%ぐらいが男の脳に得意な問題で埋め尽くされているそうです。うろ覚えですが、たしか著者(脳科学者、男)が男の脳に得意な問題と女の脳に得意な問題を半々にした知能テストを作ったところ、女の平均偏差値が男の平均を50とすると53になったとかそんなことが書いてあったと思います。加藤先生の方は、小中学生の頃、どうやっても自分はクラスで一番の女の子に勉強で勝てなくて、悔しい想いをしたが、高校に行ったら楽に追い抜かせてしまった、なんだ、単に初等教育が女の子向けなだけだったのだみたいな文章です。

今は男でも女でも男脳を持っている人がいい大学に行け、いいポジションを得られるというような状況なのでしょう。エッセイにも書いてありましたが、特に生物学のような様々なアプローチができる学問なら、もっと多様な人が参加できる方が学問が発展すると思います。また、コミュニケーション能力が高い(女の脳の方が得意とされている)人の比率が増えた方が、もっと仕事場が仕事し易くなるというのも本当だと思います。大学の教員の男女比率がその教員達の受け持つ部門の学生の比と同じぐらいになるのが理想でしょうか。アメリカでは生物系では学生は半々、女性教員は10%だからまだまだみたいなことが書かれてましたが、日本は。。。数字もだせないですよね。少なすぎて。四捨五入して1%に乗るんでしょーか?