伝統ってなんだ?

どうやら皇室典範改正は見送られたようですね。。。
それにしてもいつも都合良く出てくる言葉、伝統って一体なんなんでしょう?
例えば、天皇は男系であることが伝統で、女帝もいたけど、それはつなぎの天皇で、お飾りだったっていう説明。
確かに、学研漫画とかで推古天皇のことなんかを読んだ記憶によると、教科書的には推古天皇には聖徳太子のような人がいて、彼女はだまってハイハイなんでも言うことを聞いていたような人物像ですよね。
誰も、推古天皇に会ったこともないのに(笑)
これまた井沢元彦の読み過ぎかもしれないけど、女帝の中には自分の息子(つまり男系でない人。)を天皇の位につけようと画策して、結局つけてしまった人もいたはずです(ただし、邪道な説なんでしょうけど。)。

伝統という言葉がでてくると、いつも思うのは、今60歳、70歳の人たちが子供の時に学校で習ったこと、常識だったことを元に、それまでの歴史を拡大解釈しすぎなのではないかということです。
天皇の話だと、その頃学校で教えられていたおとぎ話が神代の時代から続く伝統だと言って出て来ますよね。
もちろん、その中に卑弥呼なんてかけらも入ってこない。
卑弥呼は日本という国ができる前の女帝(女王)だったからという説明もできるけど、神武天皇はなんて言ったって、日本の島自体をかき回して作った、イザナギイザナミの息子ですよ。本来なら、卑弥呼よりも以前のはずですよね。

女が男のあばら骨からできたキリスト教社会より、イザナギイザナミが結婚して日本をつくったという神話を持っている日本の方が、昔ははるかに男女平等だったのではないかと思います。
確か、卑弥呼の話でも、卑弥呼の後、何人か男の王がついたが、戦争ばっかりで国が治まらないので、卑弥呼の姪を女王にしたという話は歴史の教科書に載っていたはずです。

女帝がつなぎでお飾りだったという説は一体どこまで信用できるのでしょう?単に今、男女不平等がまかり通っていて、おじいさん方の頃には女は男のいうことを黙ってきいてればいいんだと言われていた常識からでた説ということはないのでしょうか?

伝統というものが、その時代その時代の人の見方によって(今だと今のおじいちゃん方の常識によって)、いろいろ違った解釈をされてしまうのであれば、伝統って一体なんなのか、本当によくわかりません。
ただ、自分の常識の中でとどまっていたいと考えるおじいさんどもの言い訳=伝統であるなら、そんなものは不要だと思うのですが、おじいさん方はとどまっていたいから伝統をつくっちゃんでしょうね。