日雇い研究者と論文執筆

今、論文を執筆中で(だから、こんなにブログに逃げまくってる私。)、というか、実際には、私はもう書き終えて、先週の金曜にボスにプリントアウトを渡しました。
今回はイギリスの雑誌に出す予定なので、できるだけイギリス人が書いた論文の英語の文章をまねて、かなり時間をかけて書きました。

なのに、プリントアウトで直すのは非効率だからパソコンのファイルをそのまま送れというメールが。
パソコンのファイルで直さなければいけないほど直す箇所があるってことですよ。これ。

もし、ボスが英語のnativeで、ボスの英語の文章を読むたび、なんて流暢で奇麗な英語なんだと思うような英語(科学者にも何人かいます。)を書く人だったら、私は何も申しません。お願いします。と喜んで差し上げます。

もし、この論文の内容がボスの専門分野で、ボスが考えたテーマで、私が実験しただけというような論文なら、それもお任せします。そういう場合には、私が論文を自分で書く必要もないでしょう。でも、今回の論文は、私の専門分野で、こういうことを取り入れたら面白いよとボスに提案して、(ボスはあまり意味がわかってはいなかったけど)私がお願いしてさせてもらった研究なのです。

実際に、私の研究で書いたボスのグラントはあまりにもとんちんかんで、かなりの部分、私が直しました(ボスは私には内緒でそれを私と同じ専門分野の自分の友達にみせて、私が書いたグラントが妥当かどうか尋ねたそうです。新参者なので、まだあまり信用されていません。)科学の専門分野というのは本当に狭くて,ほんと少しずれるだけで、なかなかフォローするのは難しいのです。

なのに、私の論文をファイルから書き直す??やめてくれーと思うのは、日雇いの身としては奢っているのでしょうか。そういうことをいうのは、自分がお金を自分でとれるようになってからにしろ!!とお叱りを受けるでしょうか。日本の某有名先生は今までそこの研究室の論文は全部自分が書いていたけど、退職を機に(今は非常勤研究員という身分でラボに君臨されています。)学生やポスドクに論文を自分で書かせるように変えたので、暗礁に乗り上げてる論文がいくつかあるというようなことをブログに書いておられました。やはり、ボスが論文を書くラボというのは多いのでしょうか。

ボスに論文を直してもらうのが嫌なわけではありません。プリントアウトにここはこういう風に直せと書いてもらって、それを読みながら、自分が妥当と判断した修正について、自分のファイルを自分で直す。もしくは、ファイルに色付きかなんかで修正してもらって、どこが直されたか一目でわかるようにしてもらって、あとで自分で考えながらそれを直す。そういうのならOKなんです。でも、私の書いたのはあくまで下書きで、あとはボスが自分の思った通りに書いちゃうみたいなのが嫌なんです。。。。

しかも、私はボスの英語があまり好きではないのです。ボスはアメリカ人と結婚して、名前だけみるとアメリカ人に見えるので、論文の英語を直せとレフリー(論文審査員)から要求されることがないせいか、英語に絶対の自信を持っています。これがもし、日本人の名前で論文をだそうものなら、即座に英語を直せとレフリーから要求されるでしょう。実際、日本人研究者の多くはオックスフォードなどの論文の英語を直す会社に10万円とかお金を払って、英語をちゃんと直してから投稿するにも関わらず、レフリーからオックスフォードに頼んで英語を直してもらえと言われることが多々あります(この話はいろんな人から聞いたので、すごくよくある話なのだと思います。私も経験者。)。ボスが直したであろう論文をいくつか読んでも、おせじにも英語がうまいとは言えません。しかも、文法の間違いがかなりあります。(possibleを名詞みたいに使ったりします。)

ああー、日雇いの身は悲しいよ−。自分の論文ぐらい自分で納得して直したいよお。
ボスには修正箇所は色付きにしてね。と一応お願いしましたが、そんなことやってくれるかなあ。もし、してくれなかったら、どこが変わってるか、見比べながら直さないと。うー、ブルー。
早くボスになりたあーい。私に職をー!!