やっぱり母息子関係はうらやましい。


東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ ひとりの女 (朝日文庫)

リリーフランキーの東京タワーをちょっと前に読んだ。泣いた。
やっぱり、母と息子の関係は何よりも濃い。

世のお父さん方には悪いけど、やっぱり父親とはこんな濃い関係は築けない。
リリーフランキーはお父さんとは別居してたけど、別に同居していても、世のお父さんとはあんなもんではないだろうか。自分以外に関心がないというか。子供がかわいくないわけではないけれども、自分の世界で精一杯。特に仕事一筋の私たちの親世代は、休日は家でごろごろし、何か一緒にやるわけでも、何か会話があるわけでもない。そもそも娘と話すのは恥ずかしいと思ってるお父さん方も多かったはず。

母と娘の関係は、これは、父と息子の関係のように複雑。
母からすると娘はかわいいけども、やっぱり時としてライバルみたいに見えるみたい。
自分より若いし、細いし、肌がきれいだし(笑)
こういう親心が思春期の娘に理解できると、娘は娘でラクなんだけど、世の中の言説、”母の愛は不変”みたいなのに洗脳されてるから、ミニスカートとか履いたときに、お母さんに、
あんたの足は、なんでそんな太いの?
とか言われると、結構ショックだったりする。
お母さんに言われるぐらいだから、ほんとにめちゃくちゃ太いのでは?と悩んだりする。

私は10年以上前、群ようこさんが今の江國香織さんみたいなポジションだった時、実はあんまり彼女の本を読んだことがなかったんだけど、この「ひとりの女」の母娘描写はほんと真実をついてると思う。

会うと、イライラするし、自分の言ってほしくないことをずけずけ言われたり、自分がしてほしくないことを平気で娘の前でするのが母親。できるだけ会いたくないんだけど、会わないといけないのも母親。
しょうがないから、ランチを一緒に食べたりする。
でも、やっぱりきつくあたってしまう。
で、後から、ああー、もっと優しくしてあげればよかったとすごーく後悔する。
だから、また会いたくなくなってしまう。
だから、母息子の関係は娘にはとってもうらやましい。