そもそもなぜ研究者の職が減ったのか?

それは、バカコイズミ&その前からの何が何でも公務員削減計画のせい。公務員一律25%削減っていうやつですね。日本が借金まみれという嘘と同じで、大学にはお金がないというのも嘘だと思います。
日本の研究室はかなりリッチです。
メンテする人もいず、難しすぎて使いたい時に使えず、買ってみたものの埃をかぶったままという機械がどれだけあるでしょう。アメリカでは例えば研究所に1個でみんなで共有して使っているような機械が、日本では研究室単位であったりします。(2000万とかするような機械です。)
それもこれも、人員削減という日本全体の政策と科学技術にお金を投入する政策のアンバランスによります。お金はたくさんつぎ込まれているのに、人を雇えない。だから高価な機械を買って、埃をかぶせておく、それが現状です。まあ、その機械を売りつけてる会社の景気対策にはなってるのかもしれませんが。。。

私が大学院生の頃には、秘書さんが突然、あと3日で500万使わないといけなくなったとかって、必ず年度末に言い始め、毎回無駄な機械を買うのですが、そのお金で私を雇ってくれと何度思ったことでしょう。

働き手のいない大学はどうするか。タダの働き手、大学院生を増やせばいいわけです。
そうやって、私たちの次の代ぐらいから始まった、大幅な大学院拡充で将来のポスドクはどんどん増えるという悪循環がおこっています。
今、国立大学は独立法人に変わりましたが、日雇いでない研究者のポストは増えていないので、人を雇えないのは同じなのでしょう。

こういう馬鹿なことをしていて、偉い方々は、いやいや、これは、日本の科学を活性化するための人材の流動化を促進しているだけなんだとかしゃあしゃあと言ってのけます。若い人の職を奪うことと、人材の流動化は全く別次元のことです。もし、ほんとに科学を活性化したいなら、アメリカのサバティカル制度のように、独立した研究者が数年に一度教育の義務から解放されて、他の研究室から新しいことを学べるという制度をつくればいいのです。

博士をもっている人がもっといろんな所で活躍できるようにするという政策も大事だと思います。でも、そんな政策は、そもそも研究者予備軍であるポスドクが一定の割合で研究者になることができるという環境が整ってからの話であって、研究者になれる確率がほぼ0だから、他のことをやればいいというのは短絡的すぎると思うんですが、こんなことを公の場で発言してしまっては、ない職がますます自分から遠ざかりそうで、、、だからみんな黙ってるんですよね。でも、いっつもいっつも余り物余り物、って言われるのはもう正直うんざりです。